GIS の歴史

最古のマップから、現代の最先端のテクノロジーに至るまで、人類は地理を活用して、私たちの世界に対する理解を深めてきました。

Esri は GIS のパイオニアです

Esri は、1969 年の設立以来、地理情報システム (GIS) テクノロジーの創造と開発において重要な役割を果たしてきました。現在、GIS テクノロジは世界中の企業や政府で広く利用されています。

現実世界の問題を解決する GIS の価値は初期のプロジェクトで証明済みです。これらのプロジェクトでは経済的利益と環境的利益のバランスと取ることに重点が置かれ、その重要性は高まる一方です。 Esri は最初の GIS 製品のいくつかを先駆けて開発し、会社のフラッグシップ ソフトウェアである ArcGIS は市場のリーダーであり続けています。

Esri による研究開発への取り組みは、あらゆる技術的なマイルストーンと並行して GIS の分野を推進していくうえで必要不可欠になっています。

Esri の詳細
歴史的写真に、デジタイズ デバイスを使用して初期の GIS コンピューター プログラムを操作している Esri の従業員が示され、1980 年代後半の Apple Macintosh のモニター上に野生動物保護区のマップが表示されている。 背景にあるもう一枚の歴史的写真には、Esri の設立者であるジャック・デンジャモンドとローラ・デンジャモンドが従業員やパートナーと一緒に大きなマップの周りに集まって、初期のプロジェクトについて議論している様子が示されている。

GIS の進化のタイムライン

GIS が今日の姿になるまでには、多くの人々、組織、テクノロジーの進歩が貢献してきました。 以下では、GIS の歴史におけるいくつかの主要なマイルストーンについて説明します。

マイルストーン説明
-最初のマップGIS の起源は数百年前、さらにカートグラフィとマッピングの分野では数千年前に遡る。 初期のマップは探索、戦略、計画の用途で使用された。
1854初期の空間解析ロンドンの医師 John Snow が、コレラの症例をマッピングしてその原因が 1 つの水源にあることを突き止める
1960地理コンピューター サイエンスの出現1960 年代、コンピューターは、IBM の主導の下、テクノロジー、速度、設計の面で大幅に前進。 定量的な計算地理学の初期の概念が芽生える。
1963最初の GIS地理学者の Roger Tomlinson が、カナダ政府のために国土利用管理プログラムを開始して、天然資源の目録を作成。 Tomlinson は「地理情報システム (GIS)」という言葉を初めて作った人で、「GIS の父」として知られるようになる。
1965ハーバード大学のラボで空間解析を調査建築家の Howard Fisher が Harvard Laboratory for Computer Graphics and Spatial Analysis を設立。このラボでは、ODYSSEY などのいくつかの最初の GIS ソフトウェアが考案され、コンピューター マッピング アプリケーションの調査が行われている。 Jack Dangermond、Carl Steinitz、Scott Morehouse、Allan Schmidt、Allen Bernholtz などの GIS のパイオニアが参加。
1969「Design with Nature」の出版Ian McHarg の影響力ある著書で、景観設計と都市計画に対する環境意識の高い総合的アプローチを支持。 彼は、GIS で現在のマップ オーバーレイの基礎になっている、情報の積み重ねという「レイヤー ケーキ」手法を紹介している。
1969Esri の設立ハーバード大学のラボと「Design with Nature」からインスピレーションを得て、Jack Dangermond と Laura Dangermond が Environmental Systems Research Institute (E.S.R.I.、今日の Esri) を設立。 彼らは、土地利用計画者が、環境保護に重点を置いた適切な意思決定を行えるように支援するプロジェクト作業を開始。
1972最初の Landsat 衛星NASA のジェミニ 4 号ミッション中に宇宙から撮影された写真にヒントを得て、米国政府が、地球観測のための多数の Landsat 衛星のうちの最初の衛星を打ち上げる。 このプログラムでは、世界全体の最新の衛星画像が地理的ポイントに関連付けられて提供される。 これが GIS の主要なデータ入力となることで、リモート センシングの時代が始まり、私たちの地球の見方が変化していく。
1978最初の GPS 衛星米国が最初の GPS 衛星である Navstar I を打ち上げ、1994 年には、GPS による完全なグローバル カバレッジを達成。 他国は、類似する GNSS (Global Navigation Satellite Systems) を開発。 グローバル カバレッジにより、ほぼすべてのオブジェクトがその位置を報告できるようになり、空間データの量が飛躍的に増大し始める。
1981最初の Esri User Conferenceカリフォルニア州レッドランズで開催された、Esri テクノロジー ユーザーによる初の会議に 16 名のユーザーが参加。 参加者は、米国内の 11 の組織 (Woodward-Clyde Consultants、アメリカ陸軍工兵隊、Pennsylvania Power and Light、ケンタッキー州天然資源局、リバーサイド郡計画局など) を代表している。
1982ARC/INFO のリリースEsri は PIOS (Polygon Information Overlay System)、GRID、GRID/TOPO などの初期の GIS ツールを土台に成長を続けている。 ハーバード大学のラボで ODYSSEY に取り組んだ Scott Morehouse が 1981 年に ESRI に移籍し、ARC/INFO の開発で重要な役割を果たす。 この包括的な商用 GIS 製品は、GIS を広く実装するための標準化された方法を提供するもので、ここからソフトウェア企業への Esri の変革が始まる。
1982GRASS の開発アメリカ陸軍工兵隊が GRASS (Geographic Resources Analysis Support System) の開発を開始。 このオープン ソースの GIS ソフトウェアは GIS へのアクセスを拡大し、今日でも提供されている。
1986車内ナビゲーションETAK が最初の社内ナビゲーションの概念を開発。 マツダのユーノス コスモが、自動ナビゲーション システムを搭載した最初の車である。 その後、リアルタイムの GIS 機能により、テスラのような企業による自動運転車の提供が可能になる。
1988NCGIA の設立NCGIA (National Center for Geographic Information and Analysis) が、地理情報とそれに関連するテクノロジーの研究拠点として設立される。 Michael Goodchild がこのプロジェクトを監修し、GIS の思想的リーダーとして登場。  
1990TIGER の完成米国国勢調査局が TIGER (Topologically Integrated Geographic Encoding and Referencing) 空間データベースを完成させる。 道路、境界、水域から成る最初の全国的なデジタル マップである TIGER は、無数のビジネス アプリケーションの基盤を成している。
1991GIS の主流化GIS が転機を迎え、多数のワークフローで不可欠なものになる。 Forbes、Fortune、Business Week などの出版物で GIS についての記事を目にするようになる。
1995


英国で国全体のマップをデジタイズ1791 年に設立され、現在でも GIS とマッピングのリーダー組織である英国の Ordnance Survey が 230,000 個のマップをデジタイズして、GIS データベースで英国全体のカバレッジを達成。 英国は、大規模な電子マッピング プログラムを完了した最初の国となる。
1999最初の GIS DayJack Dangermond、Roger Tomlinson 博士、学生たちが、ワシントン D.C. の Murch Elementary School で最初の GIS Day を祝う。Dangermond は、GIS Day のきっかけを作った人物として Ralph Nader の名前を挙げている。GIS Day は、Geography Awareness Week にあたる 11 月の第三水曜日に世界中で祝われている。
2001100 万人の GIS ユーザーEsri は、GIS を利用する 100 万のソフトウェア ライセンス シートと約 100,000 の組織に到達。 GIS 市場は 70 億ドルと推定されている。
2004NGA (National Geospatial Agency)米国で、NIMA (National Imagery and Mapping Agency) が NGA に名前変更される。これは、地理空間インテリジェンスの重要性の高まりを強調し、GIS で画像、マッピング、その他の空間情報のカバレッジが拡大していることを反映するためである。
2004Web 2.0Web がより対話的なプラットフォームになり、GIS が Web に移行するための基盤が整う。 GIS は、デスクトップに加えて SaaS としても提供可能になった。
2005Google MapsGoogle Maps や Google Earth のようなマッピング アプリの出現により、誰もが GIS テクノロジーを操作して利用できるようになり、GIS テクノロジーが私たちの日常生活の一部となり始める。
2006クラウド コンピューティングAmazon Web Services がリリースされ、クラウド データ ストレージが多くの企業で導入される。 クラウド コンピューティングは数十年間にわたって開発されてきたが、今では自由に利用できるようになり、組織はオンラインでの業務を拡大して、大量のデータを格納できる。
2007初代 iPhoneApple の iPhone がスマートフォン業界に参入。 電話は今やコンピューターでも、モバイル GIS デバイスでもあるため、誰もがどこでも GIS を利用でき、モバイル アプリでデータを簡単に収集できる。
2009空間データ ライブラリの普及米国政府は、信頼できるオープンなデータセットを Data.gov でパブリックに共有している。 誰もがこれらのデータセットを GIS で利用して、地理空間解析を行うための時間と労力を縮小できる。 Esri の ArcGIS Living Atlas of the World は、このようなすぐに使えるデータセットを精選してまとめたものである。
2012ArcGIS Online のリリースEsri が、自社の GIS ソフトウェアの中で最初のクラウド ベース バージョンである ArcGIS Online をリリース。 このシステムの登場で、コラボレーションのサポートが向上し、多くの GIS およびテクノロジーの専門家が各自の組織でマッピングを利用する方法が変わる。  
2018AI と GIS の一体化Esri の AI チームが、パイロット プロジェクトで GIS の分野と AI の分野の統合を積極的に開始し、GeoAI として知られる専門分野を開拓。 機械学習機能は早くも 2009 年には ArcGIS に導入された。 2020 年 10 月 7 日に、事前トレーニング済みの最初のディープ ラーニング AI モデルが Esri の ArcGIS Living Atlas of the World (現在 75 を超える事前トレーニング済みモデルを含むリポジトリ) 内で一般に公開される。 AI に基づく空間ワークフローは、自動化や大規模データセット (特に画像) の理解の面で優れている。  
2020GIS が COVID-19 への対応を支援ジョンズ・ホプキンス大学は、ArcGIS を利用した COVID-19 追跡ダッシュボードを作成し、1 兆ビューを超える閲覧数を記録。 このオンライン ダッシュボードは、地球規模の医療危機を監視するための主力のリソースとなっている。 また、何千もの類似のダッシュボードを作成するきっかけともなり、人々がパンデミックを理解するのを助け、GIS を公開情報の中心として利用される。
現在あらゆる場所に GISGIS はこれまで以上に強力で、重要性を増している。 人々は GIS を利用して毎日数十億のマップを作成する。 95 パーセント以上の大学が GIS コースやプログラムを提供しており、 フォーチュン 500 のほとんどの企業、中央や地方政府機関、非営利団体が GIS を導入している。
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GIS の未来

このエンタープライズ テクノロジー、つまり最新の GIS を利用することで、問いかけることのできる質問や発見できる洞察、さらには、実行できる創造的ソリューションなど、すべてが変わります。 GIS がなければ、私たちの世界を管理することはできません。

GIS は以前から強力な機能を備えていますが、AI や仮想現実などの新しいテクノロジーが、その機能を拡張および強化しています。 GIS を利用してイノベーションを起こす人々は、このテクノロジーが次にどこへ進むのかを引き続き把握しようとするでしょう。

メガネをかけた黄色のシャツの若い女性がタブレットを持って、木々を背景に立ちながら、遠くを見ている。 彼女のタブレット上の情報を示すカラフルなマップが一緒に表示されている。

はじめに

どのようにして GIS テクノロジーが自分の業界で適用されるかを確認してみましょう。 実際の成功事例を参照したり、GIS 製品とその使用法を探索したり、GIS でのキャリアについて詳細を理解することができます。

探索を開始
緑色のセーターを着て、ラップトップ コンピューターを見ながら入力している女性。彼女が調査しているエリアのマップとグローブが一緒に表示されている。